お金は相続したいけど、田舎の土地はいらないんですけど。

よくあるご相談です。

遺産には、預貯金や株、クルマだけではなくて不動産があることが多いです。
というか、「財産は自宅だけ」というケースの方が多いです。

その不動産も一等地ならいいのですが、
田舎の田畑や山林というケース。
まさに私がそうでした。

現金や現金にしやすいもの、高く売れそうな不動産とかは欲しいですが、
もらっても、あとの管理が大変、税金もかかってくるものは、
正直いらないです・・・

「欲しいものだけもらって、有らないものは放棄する」
なんてことは、できません。

「相続」というものは亡くなった人の地位を継承するもので
プラスの財産もマイナスの財産も全部引き継ぐことになります。
「プラスの財産だけ相続する」という都合のいいことはできないのです。

全部相続するか、全部相続放棄するか、どちらかの選択です。

相続してしまった田舎の田畑や山林。
それも「タダ同然なら売れないこともないかな」
それも甘い考えで、本当に売れないことの方が多いです。
田畑の場合は農地法があるので、農業従事者にしか売れないのです。

でもその売り先である農業従事者が高齢者で、
農家の跡継ぎがいないため、その高齢者の方も田畑をどうするか悩んでいるんです。

そういった問題を解決するために
令和5年より、土地国庫帰属制度が施行されます。

相続等によって土地の所有権を取得した相続人が法務大臣の承認により、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度が新たに創設されました。

簡単にいうと
「相続によって不要な土地の所有者になったが、それを国に帰属、返すことができる制度」です。でも、何でもかんでも帰属を認めてくれるというわけではありません、土地の維持管理には当然、費用や労力がかかるので、モラルハザードが発生するおそれを考慮して、一定の要件を定めていますが、この要件が意外とハードルが高いのです。

この田舎の土地問題、まだ解決策が見当たらないのが現状です。
私も田舎の田畑を相続してますが、現状は放置状態です・・・



この記事を書いた人

古川才智英

「相続のこと誰に相談したらいいかわからない」「何から始めたらいいのかわからない」という相続の準備や手続きがわからなくて悩んでいる人のために、自分自身が相続を体験し、大変な思いをしてきたことや学んできたことを活かして、今、相続を考えいる方や悩んでいる方のお力になり問題の解決が出来れば思い、この仕事を始めました。