お仏壇の引っ越し

私が家を建てたとき、
それは、今から25年ぐらい前のことです。

実家に入らずに家を建てたということは、
いずれ実家は空き家になるということ。
それは想定できたこと。

でも空き家をどうするかなんてことまでは考えていなかった。
考えたくもなかった。
それは何とかなると思っていた。
ていうか簡単に、「売ればいい」なんて考えていた。

でも、仏壇は長男である自分の責任として、
こちらに移して面倒をみるつもりだったので
間取りには、ちゃんと仏壇の入る場所を作っていたのでした。

1年前、ついにその日がやってきたのです。
お仏壇の引っ越し。
それは父が他界して1年が経ったときでした。

タイミングがなかなか難しかったですね。
父の兄弟が、父の亡くなった後に
仏壇にお参りにいらっしゃる。
初盆の時も実家に集まり仏壇にお参りする。

実家に仏壇がなくなると父の兄弟のお参りする
ところがなくなってしまうのではないか。
そうやってずるずる実家に置き去りになっている。

でも、盆正月だけお参りするだけでは、
ご先祖さまに申し訳ないのではないか。

自分の中でタイミングを決めました。
一回忌を済ませたら引っ越ししよう。
父の兄弟の方には、お墓に参ってもらうことで
ご先祖さまの供養をして頂こうと。

ということで我が家に仏壇がやってきました。
父が仏壇を購入したお店にお願いをして
運んでいただきました。

それから、お参りは欠かせません。
毎日のルーティンになっています。
毎日手を合わせて、ご先祖さまに感謝しています。
これでよかったと思っています。

先日、お位牌に母の戒名が入りました。
こうやって時の流れがゆっくりと
親から子へ、仏壇も祭事も引き継がれていく。
相続していくんだなって、しみじみ感じる歳になってきました。





この記事を書いた人

古川才智英

中日本自動車短期大学自動車工学科卒業後、某トヨタ系ディーラーに入社し30年間勤務後退社。その後個人事業で自動車販売修理業を始めるが、父の闘病、余命宣告、”死”を目の前に感じた。そして土壇場で焦りながら相続対策をしたことをキッカケに相続業界へ足を踏み入れることになる。郡上市出身、岐阜市在住。