家族の絆

親子がお互いに相手のことをちゃんと思っていても
その感情はすれ違ってしまうことがあります。

相続というものは、お金や財産を分けることだけを意味する
ものではないと思います。

家を守って家系を絶やさないようにする。
家族みんなが幸せに暮らすなど、もっと大きな目的があって
その一部が資産を分割することでした。

その遺産分割の話し合いをするとき、そのタイミングこそが
家族の関係を見直し、絆を深めることができるタイミングのような気がします。

小さい頃は、何も考えず無邪気に騒いで遊んでいましたが
人は大人になると血の繋がった親兄弟とでさえ、
「本音」で話をすることができなくなってしまっています。

たまに実家に帰ったとき、お盆やお正月でも
お互い家族がいたりして、気を使いながら、
当たり障りのない会話をしてしまっています。

なんとなく、みんな仲良さそうに話しているけど、
本当はそんなに仲がいいわけでもない・・・
それぞれに、ちょっとずつ距離を感じているような・・・

お互い家族がいるから、そんなものなのかな?
と、なにかを感じながら過ごしている・・・

そんな距離感のある家族が、
「相続」をきっかけに、家族しかできない会話、話し合いをする。
財産を残す親の立場、それを引き継ぐ子の立場。
お互いに、自分と家族の人生について考えるようになっていきます。

大人になるにつれて、気づかないうちに離れていった家族も
昔話のなかから、楽しかったことや嬉しかったこと、悲しかったこと。
いろいろな家族の思い出から、今も家族でよかった、と気が付く。

そんなことを、言葉で伝え合って、お互いの「本音」を知っていくと
離れていた家族の関係が、だんだんと変わっていくような気がします。

相続の話し合いの場で、激しい言い争いをしている人たち、
「本音」を聞くと「大切にされてなかった」とか「大事にされていなかった」
とか、「親の愛情」の受け止め方に問題がありそうな感じを受けます。
本当はみんな、「家族と仲良くしたい!」「愛されたい!」と思っているんです。

家族同士、「本音」で話し合うことができたタイミングで
家族みんなで、相続の準備をしていく。
「相続」を通じて「家族」の絆が一段と強くなっていく瞬間です。

相続対策は、お金のことだけではありません。
家族や兄弟との絆を見つめ直すチャンスだと思います。


そして、「自分はこれからの人生をどう生きていくのか」を考える。
ここが、大きな分かれ目になっていくような気がします。




この記事を書いた人

古川才智英

「相続のこと誰に相談したらいいかわからない」「何から始めたらいいのかわからない」という相続の準備や手続きがわからなくて悩んでいる人のために、自分自身が相続を体験し、大変な思いをしてきたことや学んできたことを活かして、今、相続を考えいる方や悩んでいる方のお力になり問題の解決が出来れば思い、この仕事を始めました。