親が認知症になる前にやっておきたいこと

親が認知症になってしまった!
でも、いきなり急に認知症にはなりません。

あれ?なんか変だな?
同じこと何度も何度も言って。
なんてのを繰り返しながら徐々に
悪くなっていくもんなんです。

うちの母もそうでした。
そのころ私は仕事も忙しく、
あまり実家には帰っていませんでした。

「病院へ行こう」と言った時には
もうだいぶ進行していたと思います。

認知症の診断を受けて、
介護サービスを利用するようになりました。

しばらくして母の介護費用を通帳からおろそうと
銀行へ行きましたが、
今は本人しかお金おろせないんですね、窓口では。


キャッシュカードを作っておけばよかった!
そんなことは、あとの祭りです。

それだけで済めばいいのですが、
他に土地や家などの不動産を持っていたらもう大変です。
判断能力がないと契約行為ができません。
売ろうと思っても売れないんです。

そしてつれあいが亡くなった時に相続人になりますが
認知症になっていたら遺産分割協議ができないんです。

こんな時に、「成年後見人制度」というものがあるのですが、
メリット、デメリットあり、少し使いずらい制度だと思います。
(私はデメリットの方が大きいと思います)

裁判所が選任して、認知症の方の代わりをするのですが、
本人のためのものではないお金の使い方は一切できないんです。
まだ認知症になっていない時に、「孫の学費は私が出してあげる」
と約束していたとうったえても、ダメなんです。

そしてその方の財産管理をすべておまかせするわけですから、
成年後継人の方には報酬をお支払いしなくてはいけません。
それも一回選任したら本人が亡くなるまで
利用し続けないといけないんです。

こうなる前にどうしたらよかったのでしょうか?

今、新しい制度として「民事信託」というものがあります。
認知症になってしまった後の財産管理の事前対策の制度です。
これを使うべきだと私は思っています。

簡単に言いますと、信頼できる家族などに今持っている財産の
管理や処分をまかせて、その財産を与えたい人に渡す仕組みです。

これを使うと、任された人には権限ができて、
自由に動かすことが出来るです。
作成にかかる司法書士さんなどへの報酬はお高めですが、
使い勝手としてはかなり良いです。

また、民事信託でなくても遺言書で事足りるなら
遺言書を書いておきましょう。
今は法務局に画像で保存してくれます。

「遺言書」
親に書かせる前に、自分も書いてみる。
ここがミソ!

なかなか書けないですよね。
でも、残しておくことに大きな意味があるんです。

何でも出来ることはやってみよう!

でも、やる前に必ず専門家に相談をすること。
せっかく良かれと思ってやったことが、
逆に最悪の事態を招いてしまったら元も子もありません。

ぜひご相談ください!







この記事を書いた人

古川才智英

「相続のこと誰に相談したらいいかわからない」「何から始めたらいいのかわからない」という相続の準備や手続きがわからなくて悩んでいる人のために、自分自身が相続を体験し、大変な思いをしてきたことや学んできたことを活かして、今、相続を考えいる方や悩んでいる方のお力になり問題の解決が出来れば思い、この仕事を始めました。